ウクライナ軍のF16戦闘機訓練に遅れ 完了は来夏以降か 米紙報道
米紙ワシントン・ポストは11日、ウクライナ軍パイロットに対するF16戦闘機の訓練が遅れ、完了は来年の夏以降になるとの見通しを報じた。複数のウクライナ政府高官と軍幹部の話として伝えた。F16の実戦投入も遅れるとみられ、ロシアの侵攻が続くウクライナでの戦況に影響を与える可能性がある。
F16を巡っては、生産国のバイデン米大統領が5月に広島市での主要7カ国首脳会議(G7サミット)で欧州からの供与を容認。各国と訓練を支援する意向を表明していた。訓練は欧州で実施され、デンマークとオランダが主導している。
同紙によると、訓練第1陣にはパイロット6人と予備候補の2人が参加する。戦闘機に関する専門用語を学ぶため、英国での4カ月の英語学習が必要とされる。この英語学習のあり方を巡るウクライナとデンマークの意見の相違から訓練開始が遅れ、戦闘訓練は来年1月の開始にずれ込んだという。
ただ、米政府は当初からF16の実戦配備には相当の時間がかかるとの見方を示していた。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は11日の記者会見で「パイロットの適切な訓練や機体のメンテナンス方法などの習得には時間がかかる。F16の供与は長期的な取り組みだ」と強調。「欧州の訓練引き受けの能力が限界に達したら、米国でも引き受ける」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20230812/k00/00m/030/064000c