牛丼チェーンの『吉野家』の並盛、大盛、特盛……と聞くと、盛りが増えるにつれ、ごはんも肉の量も増えると思っている人がほとんどでしょう。筆者もそう信じていたのですが、先日、友人と2人で『吉野家』に行ったときに、「ホントなのかな?」と思ってしまいました。
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吉野家の牛丼は、「小盛」から「超特盛」まで6段階に分かれていて、好みの量を選べます。そしてご存知のように、牛丼の構成はといえば、ごはん+「アタマ」。その「アタマ」は牛肉・玉ネギ・ツユで構成されます。ちなみに6段階の料金を並べてみると、以下の通りです(2023年8月現在)。
https://www.syokuraku-web.com/column/110969/gallery/110974
・小盛:426円
・並盛:448円
・アタマの大盛:569円
・大盛:635円
・特盛:800円
・超特盛:921円

 というわけで、筆者が注文した「並盛」(448円)と、友人の「特盛」(800円)が運ばれてきました。

右が並、左が特盛

 丼ぶりの大きさも違うし、当然、ごはんの量もアタマの量も特盛のほうが圧倒的に多い――と思いきや、並べてみると、肉の量はあんまり変わらなそうに見えます。

 そこで、試しに小皿をもらい、並盛と特盛の肉だけを移してみたところ、意外な事実が判明。
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左が並盛の肉、右が特盛の肉

 まず、肉の量でいえば、確かに特盛のほうが少し多そう。しかしその差は意外と僅差。若干多い、くらいのイメージです。そして肉を移したあとの丼を見て驚きました。

左が並盛448円、右が特盛800円

 特盛の玉ねぎ、多すぎじゃないですか? ここまで玉ネギが多いと、アタマを多く見せるためのカサ増し要員に見えなくもありません。もちろん吉野家の牛丼の玉ネギは甘くて美味しいです。しかし、そもそも牛丼の肉をお腹いっぱい食べたくて「特盛」を注文した友人は、けっこうガッカリしていました。

 というわけで後日、改めて吉野家の牛丼のサイズアップにまつわる疑念を晴らすべく、別の吉野家で並盛・大盛・特盛をテイクアウトして、細かく検証してみることにしました。
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案の定、特盛の玉ネギの量が多すぎやしませんか!? 先日、店内で食べた特盛と同じ結果です。つまり、店を変えても、テイクアウトにしても特盛の玉ネギ量は非常に多いということがハッキリしました。

 さらに、ここでキッチンスケールを使って3つの「肉量」、「ごはん量」も計ってみることにします。結果は以下の通りでした。

・並盛:肉69g・ごはん258g(玉ネギ小さめ3枚)
・大盛:肉69g・ごはん300g(玉ネギ大きめ2枚)
・特盛:肉84g・ごはん386g(玉ネギ大きめ13枚プラス小さめ5枚)

 まさかの結果です。並盛と大盛の肉量はまったく一緒(!)。つまり、吉野家の並盛と大盛の違いは何かというと、ごはんが42g増え、玉ネギが少し大きくなること、だったわけです。

 そして、特盛の肉量も注目してください。並や大盛の69gに対して、特盛は84g。差は15gです。これ、実は肉2枚に相当する重さです。つまり、並と特盛の肉量の差はたった2枚なのです