■お賽銭は「500円玉」がいい
「おさいせんはいくらがいい?」という質問、けっこう聞かれます。ご縁を結ぶから5円がいい、十分ご縁があるように50円がいいとよくいいますよね。おさいせんは、神さまも気になるようです。なにせ神社の経営に直接関係しますからね(笑)。

触覚型の霊能者を名乗る僕ですが、「声」が聞こえることもたまにあります。それは決まって、おさいせんの額でした。

法隆寺を参拝したときのことです。すみません、お寺です。お寺にも神さまの魂が宿るところがあるので、ごかんべんを?。国宝・百済(くだら)観音像をご存じでしょうか。八頭身のすらりと細身の美しい仏像です。

そこでおさいせんをあげようとしたときに、「声」が聞こえたのです。

「500円」

(ん……? なんだいまのは?)

かがんだ姿勢のまま、百済観音像を見上げました。

「おさいせんには500円を入れなさい」

(お、おお……百済観音さまが、おさいせんの額に注文を……。10円じゃダメなのですね)

ニッコリ笑顔で、声の通り500円を入れました。心なしか百済観音さまの優美なお顔も、よりにこやかに見えます。現金なものですね。聖地にいると、ときどきこうして声が聞こえてくることがあります。僕の場合は、ほとんどはこうしたユーモラスなやりとりです。