セガは、過去のゲーム機をミニチュアサイズで復刻した「メガドライブミニ」シリーズを発売している。2022年6月に配信された「セガ新プロジェクト発表生放送」では、次は「セガサターンミニ」や「ドリームキャストミニ」が来るのではとの期待も高まっていたが、実際に発表されたのは「メガドライブミニ2」だった。

これに関して、セガは実際にドリームキャストミニの発売を検討していたが、品質とコストへの懸念から断念したとレトロゲームの第一人者が主張している。

YouTuberで『シェンムー』(元々はドリームキャスト用ゲーム)の大ファンとしても知られるAdam Koralik氏は、ドリームキャストミニとセガサターンミニについて語っている。同氏は『シェンムー』生みの親である鈴木裕氏と何回か会っており、セガ関連のコネクションがあったとしても不思議ではない。

数年前には任天堂が「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」や「スーファミミニ(略称)」、ソニーが初代プレステのミニ版「プレイステーション クラシック」を発売するなど、復刻ミニゲーム機がちょっとしたブームとなっていた。今のところ、その末尾を飾っているのがメガドライブミニ2である。

なぜ、セガはドリームキャストミニを発売しなかったのか? Koralik氏は、要は価格が高くなりすぎるからだ、との趣旨を述べている。

Koralik氏はこの度公開した動画にて、自分がセガのゲーム機や、『シェンムー』の再リリース時にセガとどのように仕事をしたかを語っている。おそらく、2018年末にPCやPS4向けに発売された『シェンムー I&II』のことを指しているのだろう。特に『シェンムー』は海外人気が高く、セガが海外ゲームファンの第一人者と相談するのは理に叶っている。

さらにKoralik氏はセガの担当者と、ドリームキャストミニのハードウェアを発売する代わりに、ドリームキャスト用ゲームのPC向けデジタル版(ダウンロード版)復刻を行うことにつき電話で話したという。

そこでミニ版ドリームキャストの何が問題なのかと尋ねたところ、セガは価格が高すぎるから、と答えたそうだ。「コンソール(ゲーム機)として発売する場合、300ドルぐらいにはなるだろう。本物のハードウェアを搭載する必要があり、それを実現できるほど技術はまだ安くなっていない」と言われたとのこと。

さらに「300ドルでは誰も満足しないだろう。みんな100ドルを期待しているだろうから、怒るだろう」とも付け加えている。

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