https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/post-102451.php
生まれつき胸骨がないなどの理由で、心臓が体外に飛び出した状態で生まれる「心転移症(Ectopia cordis)」。
新生児の12万5000人に1人の割合で発症し、そのうち9割が死産あるいは生後3日以内に死亡するという希少疾患だ。
インドネシアの少年ミカエルもそんな厳しい運命を背負った数少ない子供の一人だった。
現地の医師からは2年しか生きられないと告げられたものの、両親の介護のおかげもあって奇跡的に7歳まで成長した。
しかし彼の胸には大人の拳ほどの心臓がぶら下がっており、鼓動する様子がそのまま見える状態だ。
母親は「心臓発作が起こるのではないかといつも心配していました。この子は普段から息がとても苦しい様子で......」と語り、もはや猶予の時間がないのは誰の目にも明らかだった。
この状況を現地の教会を通じて伝え聞いた韓国セブランス病院の医療スタッフは、招聘治療プログラムの対象としてミカエルを呼び寄せ、無事に彼の心臓を体内に収める手術に成功した。
KBSなど韓国メディアが報じた。