ウクライナのドローンの「エースパイロット」
2022年にウラジーミル・プーチンがウクライナへの全面的な侵攻を開始する前、32歳のオレクサンドルは物流会社のIT担当として働いていた。「我々の会社は英国にも大きな倉庫を持っているから、あなたも知っていると思いますよ。私は行ったことありませんが」と彼は言う。
こんにちの彼の高い名声は、多国籍企業でソフトウェアの不調を解消する能力によるものではない。最前線での戦果の数々が、彼をウクライナ最凶の「カミカゼ」ドローン操縦士にしたのだ。
「たしかに私より多くの戦果を挙げている人は見たことがないですね」と、彼はしぶしぶ認める。
オレクサンドルは、入隊していないにもかかわらず、2022年5月から前線で転戦している。困っている旅団に手を差し伸べ、彼の必殺技であるドローンを駆使して、まるで鉄球のようにひとりでロシア軍を蹴散らすのだ。
彼はあるリストを見せるために携帯電話を取り出した。戦車5台、歩兵戦闘車(CIV)5台、装甲兵員輸送車5台、偵察戦闘車1台、MT-LB(汎用軽装甲牽引車)2台、別種の歩兵戦闘車(IFV)1台、対空装甲車1台。これら20台は、彼の攻撃で戦線を離脱した、ロシア軍にとって非常に重要だった兵器の一覧である。
それに加え、彼は戦車6台と装甲車10台に戦闘不能なほどのダメージを与えている。
オレクサンドルは、この攻撃の過程で失われた命について考えることは避けている。彼は、金曜の朝7時15分、爆弾を搭載した自身のドローンがロシア兵2人の命を奪い、6人を負傷させたことを認めた。
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