もともとは書籍の出版社で働いていた米国人の女性が、あるきっかけで鷹匠(たかじょう)に転身した。転職の経緯、仕事の内容、報酬、「脱サラ」希望者へのアドバイスなどについて、米経済メディア「ブルームバーグ」が聞く。

【画像】オレゴン州のぶどう園で害鳥駆除のために放たれるハヤブサ
仕事は「鷹狩り」由来の害鳥駆除

「私たちは訓練したハヤブサ、タカ、フクロウを警備員として使い、さまざまな場所を害鳥から守っています」とアリーナ・ブランケンシップ(52)は言う。

鳥類に固有の捕食者と獲物の関係性を活用して、捕食者から逃げようとする習性があるカモメ、ムクドリ、カナダガン、ハト、ツバメなどの鳥類を阻止しているのだ。かかしや大きな音などと違い、「鳥たちがそれに慣れることはありません」と彼女は言う。

顧客は、飛行場、スタジアム、埠頭、都市自治体、ゴルフ場、さらには鳥が魚を捕まえにくるダムなどだ。

オレゴン州では、農業企業と仕事することが多いという。たとえばぶどう園などは、ムクドリの移動経路上にある場合が多く、何千何万羽が群れをなして集まり、作物を数分でダメにしてしまうことがある。「食料品店のセールに大挙する買い物客みたいなものです」とブランケンシップは言う。
ライフスタイル

仕事のスケジュールは、農業系の仕事だと夜明けから日暮れまで、1〜16週間を請け負う。

鷹匠のなかには現場でトレーラー暮らしの人もいるが、そういう暮らし方はブランケンシップに合っていないようだ。「うちに帰ります」と彼女は言う。

仕事は作物と共に変わる。チェリーが終わると、次はブルーベリー、その次はりんご、そしてぶどうという具合だ。

働く鳥12羽(ハヤブサ9羽、タカ3羽)と教育プログラムで登場するフクロウ4羽とカラス1羽の世話も、餌やり係1名の手を借りてしている。
報酬

農家との仕事だと1日に600〜1000ドル(約9〜15万円)を受け取り、都市部やダムでの請け負いだと1日に750〜1200ドル(約10〜17万円)を受け取る。

仕事は数日または数週間、立て続けの場合が多い。鷹匠に週末の休みはない。「スカイ・ガーディアン・ファルコンリー」は彼女の会社なので、中間業者はいない。


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