処理水放出に時間がかかった背景にマスコミの影響 政治家が処理水を飲んで安心をアピールすれば…中国の難癖撃退に

今回、行政はそこまでぬかっていなかった。処理水についてはかなり早い段階で科学的な安全性が確保されているという説明がなされ、国際原子力機関(IAEA)の最終確認も取られた。安全性の確認も慎重な手順で行われ、処理水放出はあえて急がず、処理タンクが満杯になるギリギリまで時間を使ったのだろう。

安心に対する調査も継続的に行われている。消費者庁による「風評に関する消費者意識の実態調査」では、福島産品の購入を放射性物質を理由にためらう人の割合が2013年2月の第1回調査で19・4%だった。その後、ほぼ一貫して低下し続けて、今年1月の第16回調査では過去最少の5・8%まで低下している。ただし、この結果について、メディアではほとんど報道されていなかった。

また、福島県は今でも食品の放射性物質検査を行っており、検査結果も公表されている。その結果をみても福島産について安全性の問題はないが、これもあまり報道されない。

一方、中国が日本からの水産物の輸入について不合理な規制強化を行うと大々的に報道する。安心につながる報道はなされないが、不安になるような報道がなされるというメディアの非対称によって、安全であるが不安がなかなか解消されないという状況になっている。

ここでの出番は政治だ。和田正宗参院議員が発言しているが、政治家が処理水を飲んで安心をアピールするというパフォーマンスがある。この方法は、中国が政治的に難癖をつけているのでその撃退にもなるという一石二鳥の策だ。

https://www.zakzak.co.jp/article/20230827-VNNGUDQQJBMIJF4GX342YDFXWQ/2/