人口減少や地域経済の縮小、先行き不透明な金融市場など地方銀行を取り巻く環境は厳しさを増す。営業本部制を改め、「静岡・神奈川県のコミュニティーバンク」「ダイレクトバンク」「首都圏・広域バンク」「市場ファイナンス」の自律型プロフィットセンターに組織を再編した。
 特定の事業がけん引する「富士山型」ではなく、各事業領域が独自性を発揮して全体を底上げする「八ケ岳型」の成長戦略を推進。6年ぶりの増収となった2023年4~6月期決算を踏まえ、「新規ローン実行額は前年同期の2倍以上に増えた。中期経営計画第2フェーズは順調に滑り出した」と手応えを口にする。
 不正融資問題に揺れる中、「地銀の雄」立て直しの宿命を負って新たな経営陣に加わった。「地域社会に貢献し、信頼を再び得て、自分たちはスルガ銀行の行員であると胸を張って言える会社にしたい」。言葉の端々に強い決意をにじませ、行員には状況の変化に機敏に対応しながら、失敗を恐れない挑戦の姿勢を期待する。

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