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脱毛サロンでやけど被害 トラブルは4年前の7倍 急増の背景は「素人同然」のずさんな施術 担当記者が解説
脱毛の施術中に20代の女性客にやけどを負わせたとして、大阪市西区にあるエステサロンが摘発され、経営者の女性(24)と従業員の女性(24)が医師法違反などの疑いで書類送検されました。
急増している「脱毛エステ店」のやけどなどのトラブルについて、ABCテレビ大阪府警担当の佐野ななみ記者の解説です。
「フィルター着け忘れた」 摘発された脱毛エステサロンのずさんな施術
エステサロンの経営者らは去年8月、20代の女性客に脱毛の施術をする際、医師免許がないにもかかわらず、強い光をあてて女性の背中に全治2週間ほどのやけどを負わせた疑いが持たれています。
この店は当初ネイルサロンとして営業していましたが、2020年12月以降、脱毛メニューを導入していました。
警察の調べに対し経営者らは、「脱毛器を使用するのに医師などの資格が必要だとは知らなかった」と容疑を一部否認しています。
警察によりますと、経営者らは余分な出力を抑える「減光フィルター」という装置を装着せずに脱毛の施術をしていました。
機器の故障後、そのまま着け忘れた状態で施術をしていたということです。
脱毛エステでのトラブルは4年で7倍に やけどの被害も
国民生活センターによると、昨年度の脱毛エステによるやけどなどのトラブルは、1万9060件。
これは、4年前の7倍近くにのぼります。
契約などのお金のトラブルも含まれていますが、やけど被害の相談も後を絶たないということです。
脱毛をめぐるトラブル
脱毛は「医療脱毛」と「脱毛エステ」の2種類に分けられます。
医療脱毛とは、毛根などの組織を破壊して毛を生えないようにする医療行為にあたり、行うには医師免許が必要です。
一方、脱毛エステは破壊しない程度の威力を毛根などに加え毛を生えにくくするもので、美容行為として扱われます。
今回摘発されたサロンは「減光フィルター」を着け忘れたため、組織を破壊するほど出力が高くなりすぎ、”医師免許がないのに医療行為を行った”とみなされ摘発されました。
「脱毛専門家」渋井綾乃さん
国の解釈もあいまいです。
「脱毛専門家」として知られる渋井綾乃さんによると、存在するのは厚労省が2001年に出した1枚の通知のみ。
「エステ店で『やけどが起きるような脱毛』をすれば違法になる」とするだけで、光線の出力の基準についての決まりはありません。
しかし、国に明確な基準を作ろうとする動きはなく、エステ店を見極める明確な方法もありません。
渋井さんは、自分が不安にならない程度まで店側とコミュニケーションを取ることが重要と指摘しています。