御田寺圭の「不都合な深層」
なぜ若者の恋愛離れが進んでいるのか…その理由は「お金がない」「仕事がない」「出会いがない」ではない

「お近づきの失敗」が単なる失敗では済まなくなった

相手のパーソナルスペースに踏み込んで異性関係を構築しようとする試みが失敗したときに、
相手から「キモい」「ウザい」などと思われて拒絶されるくらいで済んでいたひと昔前はまだマシであったというほかない。

現在だとそれで済まないこともある。「お近づきの失敗」は、下手をすればそれ自体がハラスメントや性加害として指弾され、
ときに社会的あるいは法的(最悪の場合は刑事的)なペナルティが発生する可能性さえもある。

現在の日本で妙齢の男性たちがますます「恋愛離れ」を加速させているのは、
異性関係を構築するためのルートが日本では実質的に
「男性主導で相手のパーソナルスペースに侵入してコミュニケーションを試みる」以外には
まったくといってよいほど存在していないのに、
現在の価値観においてそのような営みの「有害性」や「非倫理性」がますます高くなっているためだ。

とどのつまり、親密な異性関係を得るための最初のステップとして、パーソナルスペースに踏み込んで
「加害者になるかもしれない」という行為をすることのリスク・リターンが、
現代社会の男性にはほとんど見合わなくなってしまっているということだ。

自宅にこもってソシャゲでもやっていた方がマシ
https://president.jp/articles/-/72979?page=3