ちょっとややこしいですが具体的に言うと、表面はメイラード反応と呼ばれる効果であの「肉が焼けた香りと味」を出し、食べる人間の本能にガツンとアクセスするうま味を作り出します。内部の加熱はタンパク質が変性するギリギリの温度65度までに留め肉汁の流出を最低限にしっとりジューシーに仕上げつつ、あってはならない食中毒の危険を取り除く、という仕組みです。

で、焼肉です。ペラペラ肉をジューッ! あっという間に肉の内部温度は鬼上がり。肉汁はジャンジャン逃げ、パッサパサのクズ肉の出来上がり。じゃあ加熱しすぎに気をつけてと思ったら表面の焼け目は中途半端で香ばしさに欠け、もはや茹で肉と大差なく……って、なんじゃそりゃ。ありえません。

とは言いましたが、ペラペラの肉を美味しく焼くのは絶対に不可能というわけではないんですよ。ただし、それには卓越した技術が要求されます。あなた、それ、できるんですか? って話です。

前編 https://bunkaonline.jp/archives/1919
中編 https://bunkaonline.jp/archives/1923
後編 https://bunkaonline.jp/archives/1944

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