7つの事件に関与と認定 暴力団工藤会組員に無期懲役の判決

北九州市で建設会社の役員が射殺された事件など、7つの事件に関与したとされ、殺人や組織犯罪処罰法違反などの罪に問われている特定危険指定暴力団、工藤会の58歳の暴力団員の裁判で、福岡地方裁判所は7つの事件への関与を認定し、求刑どおり無期懲役の判決を言い渡しました。

北九州市の特定危険指定暴力団、工藤会の暴力団員、田口義高被告(58)は、平成23年に北九州市で建設会社の役員が射殺された事件や、大手ゼネコンの社員がけん銃で撃たれてけがをした事件など7つの事件に関与したとして、殺人や組織犯罪処罰法違反などの罪に問われました。
これまでの裁判で検察が無期懲役を求刑したのに対し、弁護側は射殺事件について共謀は認められないとして無罪を主張するなど、争いました。

29日の判決で、福岡地方裁判所の伊藤寛樹裁判長は、それぞれの事件で得られた共犯者の供述や事件に使われた凶器や車両の発見などから被告の関与や共謀が認定できるとして、弁護側の主張を退けました。
その上で「いずれの人身被害も一般市民に及んでいて組織の独善的な思考に基づき、加害行為が行われた。被告は実行役や若頭の立場として重要な関与を果たしていて責任は大きい。社会から寄せられる強い非難に見合う処罰を科さなければならない」として求刑どおり、無期懲役を言い渡しました。
被告側は控訴したということです。

https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20230829/5010021721.html