https://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20230828-567-OYT1T50224.html
滋賀県彦根市は28日、文化財課の課長補佐級の40歳代男性職員が2017~18年度に発掘調査に関する偽の報告書を作成していたなどとして、停職1か月の懲戒処分にした。偽の報告書は過去の発掘調査報告書を流用して表紙だけを取り繕った内容だったが、同課は虚偽と見抜けず、印刷業者に計約67万円を支出するなどしていた。
発表では、職員は17~18年度、市内の埋蔵文化財の調査のうち4件について、過去の別の報告書を流用して表紙だけを整えた報告書を作成した。同市では調査1件につき、報告書を300冊印刷することになっており、職員はこれらの偽の報告書を課長に提出。市の出納室を通じて約67万円が印刷業者に支払われた。
しかし昨年10月、これらの報告書の原稿は業者に届いておらず、印刷もされていないことが課内の事務処理の中で判明。同課は4件の調査の正式な報告書を職員に作成させ、業者に印刷させた。
4件の印刷のうち1件では、業者が物価高騰などを理由に当初の印刷代金から6万6000円の上乗せを求めており、この職員が自費で穴埋めしていた。
文化財課は昨年10月に不適切な処理を把握した際、人事課などに報告していなかったが、今年4月、この職員に関するセクハラ行為の相談が市にあり、人事課が調査する過程で一連の不適切な事務処理が表面化。セクハラ行為と合わせて処分が決まったという。
職員は偽の報告書を作成した理由について「業務に追われ(報告書の)原稿が間に合わなかったが、年度内の予算支出に間に合わせるためにやった」と説明しているという。