悪質な交通違反を「反則金」の対象とするかを含め、自転車の安全利用のあり方について議論する警察庁の有識者検討会の初会合が30日、東京都内であった。検討会は年内にも提言をまとめる予定で、同庁は内容を踏まえ道路交通法の改正も視野に入れる。

有識者検討会は識者や自転車業界の関係者らで構成。同庁の太刀川浩一交通局長はあいさつで「警察では悪質な違反には取り締まりも行っているが、十分に効果を上げているのかという疑問の声も聞く」と述べ、幅広い観点からの議論を呼びかけた。

反則金は交通反則通告制度に基づくもので、違反者には交通反則切符(青切符)が交付される。期間内に納付しなければ刑事手続きが進められる。金額は車両の種類や違反内容によって異なる。

自転車は現在制度の対象外で、取り締まりには刑事処分の対象となる交通切符(赤切符)が使われている。実際に起訴されるケースは少ない一方、検察官への送致など必要な手続きが多い。反則金の導入には違反の抑止に加え、違反処理の合理化という狙いもある。

検討会は反則金を導入した場合に対象とする違反行為の種類や年齢について議論する見通し。自転車が通行しやすい交通規制や効果的な交通安全教育のあり方についても提言に盛り込む予定だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE285Y70Y3A820C2000000/