トラフグ漁を1か月遅らせ10月開始で調整 相馬双葉漁協
近年、福島県沖でまとまってとれるようになったトラフグについて、地元の漁協は、資源保護などを目的に、去年まで毎年9月としていた漁の時期をことしは1か月遅らせて、10月から開始する見込みになったことが分かりました。
福島県沖のトラフグは近年、まとまってとれるようになり水揚げ量が増えていて、地元の相馬双葉漁協は、高級魚としての価値に着目して、おととしから漁期や漁法などを検討する委員会を設け、漁を本格的に行っています。
トラフグの漁の時期は、これまで9月から1月までの5か月間としてきましたが、9月は体長35センチ未満の小さな個体が多いため商業的な価値が低く、個体数の維持の観点からも漁に適していないことや、過去2年間の実績からこれまで漁を行っていない2月にもまとまった漁獲が期待できることが分かったということです。
このため漁協は、漁の時期を1か月遅らせて10月からとし、期間自体は例年と変えずに2月までの5か月間にする方針で、今後、開く委員会で正式に決定されます。
また、ことしは、1隻当たりの漁獲数についても30匹に制限することを検討しているということです。
相馬双葉漁協は「トラフグを地域の新たなブランド魚種として大切に育てていきたいという漁業者の思いもあり、なるべく無駄のない漁を確立していきたい」としています。
【専門家「一石二鳥の効果」】
漁協が漁期を1か月遅らせることについてトラフグの生態を研究する専門家は「サイズが大きくなり単価が高いときに売れるので一石二鳥の効果があり、とてもいい取り組みだ」としています。
福島県沖では、トラフグの水揚げ量が年々増えていて、県のまとめでは2019年が2.8トン、2020年が6.3トン、2021年が27.8トン、2022年が36.1トンと過去最多となっています。
去年の内訳をみますと9月が最も多く、全体の4割に当たる14トン余りが水揚げされました。
一方、去年の1キロあたりの単価は2514円と最も高かった12月の4割にとどまり、需要がなく値がつかない時期に多く水揚げされているのが分かります。
※略※
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20230829/6050023681.html