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詐欺被害の回復は極めて難しいのに、インターネットに掲載した誇大広告によって被害回復を過度に期待させた可能性があるなどとして、千葉県弁護士会は３０日、同会所属の大友道明弁護士（７５）（事務所・千葉市中央区）を懲戒処分相当と判断したと発表した。大友弁護士に着手金を払った詐欺被害者から同会に、「被害回復が進展しない」との相談が多数あったという。同会の懲戒委員会で審査している。
着手金の支払いを巡るトラブルが広がる恐れや、同会の信頼が損なわれる可能性があるとして、同会は同会の事前公表制度を適用。懲戒処分が決まる前に、事案や氏名を明らかにした。同会によると、広告関連での適用は県内初とみられ、全国的にも珍しい。
同会によると、大友弁護士は２０２２年１０月頃に出したネット広告で、交際や結婚をにおわせ金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」や投資詐欺などを挙げ、「返金に強い弁護士事務所」などと表記。一部に「お任せ頂ければ丸っと解決いたします」という文言があり、同会は、日本弁護士連合会が禁止する「誇大または過度な期待を抱かせる広告」や「虚偽または誘導にわたる情報の提供」、「品位を損なう広告または宣伝」に該当すると判断した。
同会には２２年１１月以降、大友弁護士に相談した詐欺被害者から、「着手金を支払ったが、進展しない」と相談が多数寄せられている。同会の綱紀委員会は「詐欺被害者の心理につけ込み、二次被害が発生する可能性がある」として、６月１９日付で懲戒委員会に審査を求めるのが相当と決議した。
