病院の敷地内薬局の整備事業を巡り、特定の業者に入札関連情報を漏らしたとして、北海道警は31日にも、札幌市豊平区の総合病院「KKR札幌医療センター」の元事務部長を公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕する方針を固めた。薬局を開設した調剤薬局・ドラッグストア大手「アインファーマシーズ」(札幌市白石区)の幹部も同容疑で逮捕する。捜査関係者への取材でわかった。

捜査関係者によると、元事務部長は2021年頃、同病院の敷地内に入る薬局の選定に関し、事業者からの提案内容を審査する公募型プロポーザルで、入札に関する情報を同社幹部に漏らし、公正な入札を妨害した疑いが持たれている。

 公募には複数社が参加して同社が受注し、21年12月に薬局を開店した。

 敷地内薬局は16年に政府の規制緩和で解禁され、高齢患者らが通院後に薬を受け取りやすいため全国の公立病院などで開設が相次いでいる。

 KKR札幌医療センターは国家公務員共済組合連合会(東京都)が運営し、職員は「みなし公務員」にあたる。

 アインファーマシーズは、アインホールディングスの子会社で、調剤薬局を運営。グループ全体で全国に約1200店舗を展開している。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230831-OYT1T50150/