中国の不動産最大手、碧桂園が30日発表した2023年1~6月期連結決算は、最終(当期)損益が489億元(約1兆円)の赤字となった。
前年同期の6億元の黒字から巨額赤字に転落。赤字幅は経営再建中の不動産大手、中国恒大集団(330億元)を上回った。
碧桂園は公表資料の中で、今後も業績悪化が続けば、債務不履行(デフォルト)に陥る可能性があると自ら警告した。

 碧桂園は今月上旬に資金繰り問題が表面化した。9月2日に償還期限を迎える人民元建て社債の償還延長に向けて債権者と協議している。
経営規模で恒大を上回る業界最大手の経営危機で、中国国内で長期化する住宅不況がさらに深刻化しかねない。また、住宅不況が金融市場などに波及すれば、経済全体を大きく下押しする可能性がある。

 売上高は前年同期比39%増の2263億元。完成が遅れていた物件の引き渡しが進んだとみられるが、不動産価格の下落による住宅用地などの評価損が響き、巨額赤字を招いた。6月末時点の負債総額は1兆3642億元(約27兆円)。

 中国の不動産調査会社によると、碧桂園の1~6月期の不動産販売面積は業界首位だが、販売収入は22年通年の首位から6位に転落している。【北京・小倉祥徳】
https://mainichi.jp/articles/20230831/k00/00m/030/082000c