2016年にNHKの番組で、宮崎駿さんが「生命に対する侮辱」と批判して話題になったシミュレーションツールの開発元が、進化論シミュレータ「ANLIFE: Motion-Learning Life Evolution」を開発中だ。このほどSteamページが公開された。

遺伝や自然選択など進化のメカニズムが組み込まれた世界で、プレイヤーは創造主として生物の学習や進化を操り、その様子を観察できる。「生物の進化実験という新たな体験を提供する」とうたう。年内のアーリーアクセスを予定している。

仮想世界の中で動き方を学ぶ生物を作り出し、気候の変化、遺伝子の調整、食物供給といった要素を操作。生物がうまく食べ物にたどり着くように進化を促す。「自分だけの惑星で、生物の進化を操れるエンターテイメント」だ。

多様性に富んだ種は環境変動に強いことや、寿命があるからこそ進化が促進されること、もし永遠の命をもつ生物がいたら進化は停滞するなど、「現実世界では経験することができない洞察を得られる」という。

同作にはゲーム性やゴールはないが、「水槽や生き物を眺めるのが好きな人、生物に対する好奇心が強い人、または自分が主役になれる世界を探している人に特に楽しんでもらえるように設計されている」「生物が独自の進化を遂げる様子は、常識を超えた動きを見せ、新しいエンターテイメントでもある」と述べている。

開発元であるベンチャー企業・アトラクチャーの中村政義代表は大学院生だった2009年、同作の前身である人工生命シミュレータ「anlife」を開発。生々しい動きがニコニコ動画などで注目を集めた。2016年には、中村さんが新たに開発していたシミュレーターについて、NHKのドキュメンタリー番組で宮崎駿さんが「極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」と述べて話題に。18年にはドワンゴと共同で“人工生命”を育成プロジェクト「ARTILIFE」を展開した。

今回発表した「ANLIFE」は、「原点に回帰するコンセプトで開発中」という。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/01/news107.html
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