リアルT-1000!自ら溶けて檻から抜け出し再固化できるロボットを開発
solidify on command
https://www.livescience.com/terminator-2-robot-inspired-by-sea-cucumbers
A person-shaped robot that can liquify and escape jail, all with the power of magnets
https://techxplore.com/news/2023-01-person-shaped-robot-liquify-power-magnets.html
Magnetoactive liquid-solid phase transitional matter
https://www.cell.com/matter/fulltext/S2590-2385(22)00693-2
皆さんは覚えているでしょうか?
映画『ターミネーター2』に登場した液体金属型アンドロイドT-1000を。
スライムのように変幻自在で、銃で撃ってもグニャグニャと復活し、無表情で迫り来る姿には背筋も凍る恐ろしさがありました。
そんなT-1000の存在がついに現実味を帯びてきたかもしれません。
香港中文大学(CUHK)、カナダ・カーネギーメロン大学(CMU)の研究チームはこのほど、自らを溶かして液体化し、再び固体化できるロボットの開発に成功したと発表しました。
実演動画では、檻に閉じ込められたロボットが液体化して格子をすり抜け、檻の外で再固体化する様子が見られます。
まさに劇中でT-1000が見せた動きと同じです。
研究の詳細は、2023年1月25日付で科学雑誌『Matter』に掲載されました。
ハードロボットは頑丈ではあるが柔軟性に欠け、ソフトロボットは柔軟ではあるが頑丈さに欠けるという問題があります。
そこで研究主任のパン・チェンフォン(Pan Chengfeng)氏は「ロボットに固体と液体の位相を切り替える能力を与えることで、状況に見合ったより多くの機能を持たせられるのではないか」と考えました。
このアイデアを実現させるため、研究チームは「ガリウム」という非常に低い融点を持つ金属を使用。
ガリウムは約29.4℃で固体から液体に変化します。
チームは、液体状のガリウムに鉄、ホウ素、ネオジムからなる「磁性粒子」を混ぜ込み、自然冷却して固化させました。
CMUの機械工学者であるカーメル・マジディ(Carmel Majidi)氏は、磁性粒子が担う2つの役割について説明します。
「ひとつは外部磁場による誘導電流によって加熱し、固体ガリウムを融解させて位相変化を起こすこと。
もうひとつは外部磁場への敏感な反応を利用してロボットに機動性を与え、移動能力を獲得することです」
チームは、この材料をレゴのミニフィギュア型に整形してヒト型ロボットを作成し、次のような実演動画を撮りました。
https://youtu.be/ByaVHjZuyAI?si=lprKtPk18o45RXwe
https://nazology.net/archives/121020