【ファミレス業界大研究】「古豪vs.新勢力」 家族″激減″時代の新王者はどこだ?

ファミレスから家族が消えた――。

FRIDAY記者がそう感じたのは、都内にある「サイゼリヤ」を訪れた平日18時のこと。ドリンクバーとミラノ風ドリア(300円)のみで語らう学生たち、「おつまみにピッタリ」とSNSでも話題になった「アロスティチーニ」(ラム肉の串焼き・400円)と「赤ワイン(デカンタ)」(400円)のハーモニーを楽しむサラリーマンなどで店内は賑やかだったが、打ち上げや飲み会がメインになっており、そこに家族連れの姿はなかった。

「パスタやピザなど誰もが好きなメニューを取り揃えつつ、『辛味チキン』(300円)や『チョリソー』(400円)など様々なおつまみメニューを安価に提供することでサイゼリヤは人気を博しています。牛100%のハンバーグが400円で楽しめるレストランは、他にないでしょう」(フードアナリストの重盛高雄氏)

サイゼリヤは昨今のインフレ下でも激安路線を堅持し、値上げと値下げを同時に行うことで平均価格の維持に成功。全国に1069店舗を展開し、年間売り上げは約1443億円にものぼる。

激安で覇権を狙うサイゼリヤと対照的に、高単価・高品質で勝負を仕掛けるのが「ロイヤルホスト」だ。「アンガスサーロインステーキ&チキングリルwithコテージパイ」(3828円)など、サイゼリヤにはない4000円近いメニューが用意されている。じっくり炒めた玉ねぎと自社製コンソメスープを合わせた人気商品「ロイヤルのオニオングラタンスープ」(495円)とドリンクをつければ、一人約5000円と高級レストラン並みの会計になる。

「東京・世田谷区にある馬事公苑店など、住民の所得が高いエリアに出店し、繁盛しています。また、羽田空港店や新千歳空港店など、空港と提携することで独自路線を歩んでいます」(飲食コンサルタントの須田光彦氏)

ロイヤルホストは全国で222店舗を展開。運営元の「ロイヤルホールディングス」は他にも機内食、空港やサービスエリアでの業務委託サービス、ホテル事業も手掛けており、併せれば年間売上高は1040億円にのぼる。それでもサイゼリヤが約400億円上回り、「激安vs.高級」対決は「激安」に軍配が上がった形だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/80f3d6fb6d0b83668df808f4e8ca58af578e3824