ジャニー喜多川氏「性加害問題」の報告書を“当事者”はどう見たのか 「被害者は数百人どころじゃない、数千人いる」

 29日、ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、
事務所が設置した外部の専門家による「再発防止特別チーム」が都内で会見を開き、調査結果について説明した。 

 調査結果は、A4版で67ページに及ぶ「調査報告書」にまとめられ、それによると、ジャニー氏の行為について「20歳頃から80歳代半ばまでの間、
性加害が間断なく頻繁かつ常習的に繰り返された事実は、ジャニーに顕著な性嗜好異常(パラフィリア)が存在していたことを強く裏付けるものである」
と結論づけた。ジャニー氏は2019年に死去(享年87)しているが、「性加害は1950年代から2010年代半ばまでの間にほぼ満遍なく認められた」という。

 特別チームが被害者23人から話を聞いた「ヒアリング結果」も発表された。報告書によると、

「ジャニー氏の自宅で、ズボンを脱がされ、性器を手で触られて口に入れられた」(小学6年生時)

「私の体をマッサージしたのに続いて、私の局部を触り、口に含むなどしてから、私の上にまたがって私の局部をジャニー氏の肛門に挿入した。
女性経験も全くなかったので、『なんだ? なになに?』という感じでとても怖かった」(中学3年頃)
「合宿所で寝ているとジャニー氏が布団の中に入ってきて、添い寝の状態で『YOUはソロでデビューさせるから』と言われ、
パンツの中に手を入れられて直接陰部を触られた」(中学2年生時)

 など、ジャニー氏の自宅や合宿所などで性加害が行われた実態が明らかになった。
被害者の数は「少なく見積もっても数百人いるという複数の証言が得られた」という。

 だが、現役メンバーに対する調査は2人にとどまり、「2人とも性加害はなかった」という。報告書では問題の背景を「同族経営」と分析。
代表取締役社長である藤島ジュリー景子氏の辞任と同族経営の弊害の防止を求めた。

 会見はネットでも同時中継されたが、特別チームの記者会見を“被害者”はどう見たのか。

元ジャニーズJrで、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表の平本淳也氏はこう話す。

「これは半世紀以上に渡って多くの被害者を生んでしまった史上最悪の事件なんです。
私は35年前に性被害を告発しましたが、『クソ』『殺す』『変態』などと言われ続けてきました。だから、こんな日が来るとは思ってもいませんでした。
報告書は、莫大(ばくだい)な数にのぼる性被害の事実をストレートに認定してくれたことは本当によかったと思います。
ただ、被害は数百人となっていましたが、私は数千人に上ると見ています。
60年という長い期間にわたり、1晩で3〜10人が被害に遭うこともあったわけですから。仮に、被害者が週に1人として計算しても、1年で約50人。
それが60年だと3000人ですよ」

 そして、自らが受けた性被害と重ね合わせたうえで、ジャニーズ事務所の“特異性”をこう語る。

「報告書にもありましたが、きらびやかなステージに立つためには数々のテストを突破していかなければいけない。
ジャニー氏が求める特殊な性癖にも応えないといけないわけです。最初は触られる、なめられるという行為がどんどんエスカレートしていく。
多くの子は、その過程で苦しくて辞めちゃうんです。だから、1〜2年で辞めちゃう子が本当に多い。
私は『なめられる』以上の行為を我慢したら、スターの座をつかんでいたかもしれません」

(略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/756071a1d94dbb52f7cebb9374484d22089ef8a6