なぜタクシーが捕まらないのか?規制とライドシェア、業界団体の関係

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コロナ禍による制限が落ち着き、人々の出足が戻る中で、タクシーが捕まらないという声が頻繁に聞かれるようになった。

8月10日には、中国政府が中国人の日本への団体旅行を解禁すると発表し、さらなる訪日外国人数の増加が見込まれることからも、タクシーの供給不足が懸念されている。

運転手の減少や高齢化が原因とも言われているが、タクシー業界は2010年頃から、タクシーの過剰供給を抑制するために、政界と連携して新規参入を規制してきた背景もある。

人々の移動手段が不足している事態に対処するため、規制を緩和し、Uber をはじめとするライドシェア(一般ドライバーによる有償の乗客運送サービス)の導入を急ぐよう求める声もあがった。




日本でライドシェアの参入が遅れている背景には、タクシー業界からの圧力や規制の壁があるとも言われる。

2015年頃からライドシェアの波が日本に押し寄せようとする中、タクシーアプリ GO を手がけ「タクシー王子」の異名を持つ川鍋一朗氏が率いる業界団体は、政界と手を結んで「断固阻止」する構えを見せ続けてきた。

川鍋氏を筆頭にした業界からの圧力および政界の働きかけによって、ライドシェアの導入が進んでいない側面はたしかにある。

しかしながら、過去に Uber が業界との調整をおろそかにしたままライドシェアを強行したことや、同社の内紛によって業界の反発がより強固になった点も、見逃すことはできない。

なぜ現在、タクシーが捕まらない事態が発生しているのだろうか。

そして、ライドシェア導入が進まない背景にあるタクシー業界と政界の連携、そして過去に Uber が犯したミスとはどのようなものなのだろうか。