https://news.yahoo.co.jp/articles/2b413c6e827e7a8b778adb9e003fd3a4247b6bc7
軽自動車に「白ナンバー」が増えている根本理由
増える軽自動車の白ナンバー
自家用登録車(以下、登録車)のナンバープレートの色は「白」、自家用軽自動車(以下、軽自動車)のナンバープレートの色は「黄」である。しかし、最近は軽自動車であっても「白」のナンバープレートを付ける車両が増えている
ナンバープレートは道路運送車両法によって規制されている。同法第11条第1項には、
「登録を受けた自動車には国土交通大臣が通知する番号を記載したナンバープレートを取り付けなければならない」
とある。
また、軽自動車についても同法第73条第1項により、
「ナンバープレートを表示しなければ運行の用に供してはならない」
とされている。登録車には白色のナンバープレートが、軽自動車には黄色のナンバープレートが交付される。
つまり、軽自動車に白ナンバープレートは通常存在しない。では、なぜ最近、軽自動車に白ナンバープレートが増えているのだろうか。
増えているワケ
ナンバープレートには「地方・全国図柄入りナンバープレート」という、いわゆるご当地ナンバーやイベント開催を記念した「特別仕様ナンバープレート」が存在する。白地にデザインされ、軽自動車でも登録できる。
これらのナンバープレートを装着すれば、白色ナンバープレートの軽自動車が出来上がる。図柄入りや特別仕様のナンバープレートの目的は、
「走る広告塔」
として地方やイベントを盛り上げるなどだ。しかし、こうした目的とは別に、軽自動車に白いナンバープレートを付けるために、こうしたナンバープレートを取得することもある。
なぜ、軽自動車のナンバープレートは白が好まれるのか。理由はさまざまだが、黄色いナンバープレートはボディカラーに対してどうしても目立つため、
「白ナンバーの方がカッコいい」
と考える人も少なくないようだ。また、いつもと違うドレスアップとして装着する人もいる。
国土交通省のデータによると、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」の申請件数(2020年6月22日時点)は、登録車が15万1656件、軽自動車が166万9785件と、かなり多い。理由はどうであれ、軽自動車に白ナンバーを付けたい層が一定数いることを示唆している。
さて、軽自動車に白ナンバーをつけることができるこのナンバープレートは、どのようにして手に入れることができるのだろうか。
白ナンバーの申請方法
大阪・関西万博特別仕様ナンバープレートのデザイン(画像:国土交通省)
実際に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレートの申請方法を例に挙げてみよう。
国土交通省のウェブサイトには、自分でウェブサイトから相談するか、近くのディーラーや整備工場、行政書士に相談する方法が紹介されていた。さらに、現在所有しているナンバーと同じ番号の特別仕様ナンバープレートへの交換も可能だ。
寄付金を払わないバージョンを選ぶと、大会エンブレムだけが入った、通常の白ナンバーとほとんど見分けがつかないナンバーが届く。ただし、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレートの募集は終了しており、現在は入手できない。
では2023年時点で、軽自動車に装着できる白ナンバープレートはあるのだろうか。現在申請できる特別仕様ナンバープレートは
「大阪・関西万博特別仕様ナンバープレート」
だ。寄付金ありのフルカラー仕様と寄付金なしのモノトーン仕様が選べる。ただし、軽自動車のナンバープレートは黄色で縁取られ、白ナンバーにはできない。
全国版・地方版図柄入りナンバープレートも申請可能だが、こちらも軽自動車には黄色の縁取りがなされている。国土交通省は
「自動車の区分を明確にすべく軽自動車の図柄入りナンバーには黄色の縁取りを施す」
としており、この方針が変更されない限り、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレートのような白いナンバープレートは今後手に入らないだろう。
軽自動車の白ナンバーは今後
本来、軽自動車は黄色ナンバーだが…(画像:写真AC)
黄色いナンバープレートは、もともと登録車と軽自動車を明確に区別するために設けられた。
正式名称も登録車の「自動車登録番号標」と軽自動車の「車両番号票」で異なる。高速道路の最高速度や通行料が登録車と軽自動車で区別されていたため、外からすぐに識別できる必要があった。
しかし、現在では最高速度の区別はなくなり、ETCの普及によって通行料金区分も自動的に識別されるようになった。そのため、軽自動車に黄色いナンバープレートをつける必要性自体が薄れてきているといえる