大牟田市の有明高専で2日、学生らが日本古来の「たたら製鉄」を体験した。土で造った炉に砂鉄と木炭を交互に入れ、炉の底部から砂鉄が溶けて固まった複数の鉄を取り出した。

 坂本武司准教授(45)が、自然界から金属を取り出してきた先人の苦労と技術を伝えようと毎年企画している。ゼミ生や卒業生、刀職人ら約10人が参加。県内外の教育機関などで、たたら製鉄の実演を続けてきた荒尾市の刀匠松永源六郎さん(75)が助言役を務めた。

 午前8時、高さ1メートルの炉に点火し、数分おきに有明海で採取した砂鉄と木炭を投入。送風機で空気を送ると、火柱が立ち上った。午後3時まで砂鉄33キロ、木炭99キロを投入。最後に鉄の棒で炉を突き崩すと、炉の残骸や燃えかすから塊や粒状になった鉄が出てきた。

 坂本准教授によると、炉の中で理論通りの化学反応が起きれば、約10キロの鉄ができるが、実際に取れたのは1キロにも満たなかった。「これまで9回やってきたが、成功例は少ない。さらに工夫しながら続けていきたい」と話した。

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