「ハロメン(ハロプロメンバーの略)がやっているダンスって、K-POPとどっちが難しいの?」
この返しが絶妙に難しく、なぜかといえば、振り付けにおける「考え方」が両者で微妙に違うからなのである。
ハロプロのパフォーマンスにおいて最もプライオリティが高いのは、やはり「歌」なのだ。
基本的にハンドマイク(現状の技術ではいちばん声が入りやすいといわれている)を持ち、「歌うための振り」が付けられているように思う。
もちろんあれだけ激しいダンスをしながらも、一人ひとりの歌声が生の歌唱でほとんどブレないメンバーは“体力おばけ”なことに間違いはないのだが、ソロパートで本当の本当にめちゃくちゃな振りが付いているところは、実はあまり見かけない。
アンジュルム『アイノケダモノ』~Dance Practice ver.~
https://youtu.be/CYX1mixH4Z0
一方でK-POPアイドルのパフォーマンスは、まず「ダンスを見せる」ことに重きを置いているように感じる。
数多くの練習生の中から勝ち抜き、デビューするメンバーの歌唱力が高いことは周知の事実ではあるものの、グループとしてはまずダンスで魅せることを最優先しているパターンが多い。
そのためヘッドセットで両手の振り付けをするのが基本だし、ソロパートでこそ上体をのけ反ったり、開脚したりヘッドロールするといった、いわば“無茶な”振りを付けることで歌唱メンバーに華を持たせ、目がいくような工夫が施されていることがよくある。
日本とは逆に、例外的にバラードのような「歌声をしっかり聴かせたい」曲ではハンドマイクに持ち替え、これを持つことで観客もまた「お、これは歌が中心のパフォーマンスなのだな」と観るスタンスを変えることができる合図になっているのだ。
これはいうまでもなく「何を一番優先的に見せたいか」の考え方の違いなだけで、どちらが優れているかと議論するだけナンセンスだと個人的には思っている。
でも、だからこそ一部ジレンマを抱えるハロヲタは生まれやすいのかもしれない。
プロデュースやクリエイティブが大きく影響する動画のPV数や興行の動員数ではなく、純粋に彼女たちの実力という面で、「世界でも通用するレベルを持っていると証明できる何か」はどこかにあるはずなのに、それが具体的になんなのかははっきり示しようがなかったからだ。
待ち望んでいた「世界で勝負する元ハロメン」
そこに来て、今回の「日プ女子に笠原桃奈参戦」のニュースである。
実際のところ、日プ出身の先輩グループにあたるJO1とINIを見ると、活動拠点の中心はしばらくは日本になる可能性が高い。それでも世界中から注目されているオーディションに変わりはないのだ。
12歳でハロプロ研修生となり、その後アンジュルムのメンバーとなってからは5年以上活動してきた、いわば“ハロプロ純粋培養”の笠原。
そんな次世代エースともいわれていた彼女が2年前、「ずっと自分の中で秘めていた夢」を叶えるべくグループ卒業を決めた。
こうしたサバイバルオーディションが開催されるたび、笠原の名前を探すファンは少なくなかったはずだ。
日本とは逆に、例外的にバラードのような「歌声をしっかり聴かせたい」曲ではハンドマイクに持ち替え、これを持つことで観客もまた「お、これは歌が中心のパフォーマンスなのだな」と観るスタンスを変えることができる合図になっているのだ。
これはいうまでもなく「何を一番優先的に見せたいか」の考え方の違いなだけで、どちらが優れているかと議論するだけナンセンスだと個人的には思っている。
でも、だからこそ一部ジレンマを抱えるハロヲタは生まれやすいのかもしれない。
プロデュースやクリエイティブが大きく影響する動画のPV数や興行の動員数ではなく、純粋に彼女たちの実力という面で、「世界でも通用するレベルを持っていると証明できる何か」はどこかにあるはずなのに、それが具体的になんなのかははっきり示しようがなかったからだ。
「日プ女子に笠原桃奈が参戦」ハロヲタが抱えてきたジレンマと視聴者が心得るべきこと
https://qjweb.jp/regular/93936/