福島第一原発の処理水の海への放出を受けて、中国が日本の水産物の輸入を全面的に停止するなか、国内で広がる生産者支援の動きを取材しました。

■中国禁輸でホタテなど価格下落

ホタテ漁師:「北海道のホタテが中国に行く分が国内にどんどん流通している。ホタテが日本国内に多く出回っているので、市場からのオーダーがかなり少なくなっている」

水産庁の調査では、北海道でホタテ1キロあたりの取引価格が7月中下旬の平均195円から、8月には173円と20円以上も下落しました。

■国内の生産者支援の動き広がる

日本の水産物への影響は多岐にわたるなか、国内では支援する動きが広がっています。

都内に9店舗ある鮮魚店では、「常磐もの」と呼ばれる福島県産の水産品を応援するフェアを開催。風評の払拭や消費アップに向け、東京電力と連携し、
「常磐もの」の美味しさや魅力を伝えるのが狙いです。一番人気は天然のヒラメ。フェア限定の二色丼は、塩締めと醤油漬けを食べ比べできます。

サカナバッカ 事業部 木下太志部長:「福島の魚の安全性やおいしさを伝える良い機会。福島の魚を食べることが、一消費者のできる一番の応援になる。その手伝いができればと」

家族連れ:「(Q.何を買った?)ヒラメ二色丼。一度で二度楽しめるのが良い。『発見!ふくしま』と書いてあるが、全然ネガティブなイメージはない」

60代:「中国が買わなくても日本人がいっぱい食べれば良い。安全だというのであれば、私たちが信じてあげないと」

さらに、中国の禁輸措置を受けて急増しているのが「ふるさと納税」での支援です。国内屈指のホタテの生産地、北海道の別海町では…。

別海町 総合政策課 松本博史課長:「(中国の)禁輸発表後、今月は前年の同時期に比べて6倍の応援に。
在庫がだぶついてしまったホタテをふるさと納税などの仕組みによって国民の皆様にひいきにしてもらい、次の漁期(12月〜)に向けて浜値が支えられるように何とか支持してほしい」