「なぜ彼の顔が私の谷間に?」

証言することへの緊張が伝わってくる。ジュディスさんはBBCに対し、ファーストネームだけを使うよう要請した。彼女は現在、経験豊富で才能あるコンサルタント外科医(患者の医療方針などを決める最高位の専門医)として働いている。

しかし、まだ医師になってまもないころ、手術室内で性的暴行を受けた。相手は地位の高い男性外科医で、自分はその部屋で最も権力のない人物だった。

「彼がこちらを向いたと思ったら、私の胸に顔をうずめていた。私の胸で額の汗を拭いていた」

「ただただ固まって、『なぜ彼の顔が私の谷間に?』と思った」

この外科医が再び同じことをしようした時、ジュディスさんは外科医にためにタオルを持ってくると言った。

だが、「いや、こっちの方が楽しい」という言葉が返ってきたと、ジュディスさんは話した。

「そして薄ら笑いをされた。汚いと思ったし、侮辱されたと感じた」

さらにひどかったのは、その場にいた同僚たちが沈黙を貫いたことだった。

「彼は手術室内で最も地位が高いわけでもなかったが、そういうふるまいをしても良いと知っていた。それ自体が腐っている」

ジュディスさんは手術室内で加害されたが、セクハラや性的暴行は病院の外まで広がっている。

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66782930