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日本国民として、最低限知っておくべき正統の政治哲学。


保守主義の哲学シリーズT−2 (5)‐‐‐ベンサム理論を抹殺す‐‐‐その参


(※5)米国建国と米国憲法について


 1789年、ジョージ・ワシントンを初代大統領として、米国という新生国家が誕生した。当時の日本の十分の一しかない、人口300万人の小国であった。百数十年の歳月を経て、超大国となる米国は、「デモクラシーへの深い不信」を基調とする、
“保守主義”のイデオロギーに立脚した、「自然的貴族」による国づくりが建国の精神であった。
 
「自然的貴族」とは、世襲と家柄の「血統貴族」ではないが、富と才能と人格が備わっている「貴族」をもって貴族と扱おうとするもので、「自然的貴族」のバークの定義が有名であるように、18世紀には、英国全体でかなり言及されていた言葉(概念)である。

 「立憲君主制」の英国本国から独立したこの米国の、君主なき、貴族なき新しい政体は、「立憲デモクラシー」「制限デモクラシー」と言うべきものであって、単なる手放しの民主制(デモクラシー)ではなかった。

王制/貴族制を模倣し、王制の代替/貴族制の代替を求めて、米国は「王なき英国」「貴族なき英国」として建国されたのである。新生・米国はデモクラシーを嫌々ながら、憲法の制限をかけることによって採用して誕生したのである。