「核のゴミ」最終処分場、長崎・対馬市議会が文献調査受け入れ…賛成多数で請願採択https://www.yomiuri.co.jp/national/20230912-OYT1T50153/

20億円獲得決定
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原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場を巡り、長崎県対馬市議会(定数19)は12日、定例会を開き、選定の第1段階となる「文献調査」の受け入れを求める請願を賛成多数で採択した。結果を受け、比田勝尚喜市長が今議会中に最終判断する方針。

文献調査の受け入れを求める請願について、起立して賛成を表明する対馬市議員ら(12日午後2時12分、長崎県対馬市で)
 採択された請願は、県建設業協会対馬支部など4団体が連名で受け入れを求めたもの。議長を除く全員で構成した市議会特別委員会は8月16日、この請願を、賛成9、反対7、欠席1で採択していた。

この日の定例会では、特別委員長の報告の後、質疑、討論を経て、採決した。また、比田勝市長は、行政報告の終了後、議員の質問に答える形で、受け入れの是非を表明する時期について言及。「採決が済んだ後、今議会中に私としての意見は発表したい」と明らかにした。

 文献調査は、3段階ある選定調査の第1段階。最終処分場事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)が、2年程度かけて地質図や学術論文など過去の文献を調べ、適地かどうかを評価する。調査を受け入れた場合、政府から最大20億円の交付金が支給される。

 比田勝市長は態度を明確にしていないが、慎重姿勢を崩していない。文献調査を受け入れれば、北海道の 寿都すっつ 町、 神恵内かもえない 村に続き、全国3自治体目となる。

 この日、市議会が入る建物の外では、午前10時の開会前から反対派の市民ら約10人が「STOP!核ゴミ」などと書かれたプラカードを掲げて立ち、反対派議員を乗せて議場に向かう車に「頑張れ」と声を上げるなどした。