アダルトビデオ(AV)に出演した女性に契約書を交付しなかったなどとして、AV出演被害防止・救済法違反などに問われた映像制作会社「グレイスエンターテイメント」代表(50)に対し、東京地裁(安永健次裁判長)は14日、懲役2年、執行猶予3年、罰金150万円、追徴金約876万円(求刑・懲役2年、罰金150万円、追徴金約876万円)の有罪判決を言い渡した。

 法人としての同社は求刑通り罰金30万円とした。

 判決によると、代表は昨年9月、AVへの出演契約を結んだ3人の女性に対し、契約内容を説明した書面を交付せず、契約書も提供しなかった。

 弁護側は同法の規定は職業選択の自由を保障した憲法に反するとして無罪を主張したが、判決は「AVの制作が罰則の対象ではなく、職業選択の自由を制限していない」などとして退けた。

 同法は、うその説明などで出演を強いられる女性の被害を防止しようと昨年6月に成立し、施行された。同法違反での摘発は被告が全国で初めてだった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230914-OYT1T50202/