国名変更を画策か…インドは大国意識に目覚め、「中国も恐れるに足らず」の危険度
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インドが国名変更? 植民地時代の負の遺産を払拭へ

 G20サミットで、モディ首相の議長席に置かれた英語の国名プレートは「インド」ではなく「バーラト」だった。サミットの公式夕食会の招待状も「バーラト」大統領名で出されており、「インドは国名をバーラトに変更するのではないか」との憶測が広がっている。

 インドの憲法上では、英語の「インド」とヒンディー語の「バーラト」の両方が正式な国名だが、国際会議などの場では「インド」が使われてきた。「インド」は英国植民地時代の呼称、「バーラト」は古代インドの伝説上の王バラタの領土を意味するサンスクリット語であり、植民地時代以前から使われてきた呼称だ。

 モディ首相率いる与党インド人民党(BJP)はヒンズー至上主義を掲げている。BJPの支持団体である「民族義勇団」は「バーラトの呼称を広く使うべき」と主張していることから、国名変更の動きは来年4月の総選挙を念頭に置いた政治的な布石だとの指摘がある。

 人口約14億人の8割を占めるヒンズー教徒の支持を得て、BJPが総選挙で勝利する戦略だというわけだ。この見方が正しければ、総選挙の終了後にこの一件が落ち着く可能性は高い。だが、筆者は「名実ともに大国となったインドで植民地時代の負の遺産を払拭する動きが加速するのではないか」と考えている。