インド南部でニパウイルス流行、2人死亡 当局が封じ込め急ぐ
(CNN) インド南部ケララ州でニパウイルスの感染が拡大し、これまでに2人が死亡した。州は感染拡大を封じ込めるため、学校を封鎖して数百人を検査するなどの対策を急いでいる。
ケララ州首相は、同州コジコーデ地区でニパウイルスが検出されているとして住民に注意を呼びかけ、保健当局の指示に従って感染防止策を講じるよう促した。
同州でニパウイルスが流行するのは2018年以来、4回目。州の13日の発表によると、これまでに2人が死亡した。
世界保健機関(WHO)によると、ニパは動物から人に感染するウイルスだが、食べ物を通じて感染したり、人から人へと感染することもある。
米疾病対策センター(CDC)によれば、ニパウイルスに感染すると軽症から重症の症状を引き起こす。最初は頭痛や眠気の症状から始まり、わずか数日で病状が悪化して昏睡(こんすい)状態に陥ることもある。
さらに、肺が体に十分な酸素を供給できなくなる急性呼吸器症候群や脳の炎症を引き起こして死に至ることもある。
ワクチンは存在せず、治療法は対症療法に限られる。
州保健局長が13日に記者団に語ったところでは、これまでに州内で700人あまりが濃厚接触者とみなされて検査を受けた。このうち77人についてはリスクが高いとして自宅待機を要請し、健康状態の観察を続けているという。
コジコーデ地区では一部の学校が閉鎖された。ロイター通信は、7つの村が隔離区域に指定されたと伝えている。
ニパウイルス検査を行うため、果実のサンプルを運ぶコジコーデ医科大学の医療チーム=13日、インド・ケララ州/Stringer/Reuters
https://www.cnn.co.jp/storage/2023/09/15/cad5ba9751b57ffc0f72505a46bc2e46/t/768/432/d/230913213245-01-nipah-virus-india-091323-super-169.jpg
ニパウイルスの「封じ込めゾーン」の看板を掲げる住民たち=13日、インド・ケララ州/Stringer/Reuters
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