女子生徒の自殺といじめ「一定の因果関係」 山形県酒田市の第三者委(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
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酒田市立中学校の女子生徒が2021年2月、校舎から飛び降りて自殺した問題で、市教育委員会が設けた第三者委員会「市いじめ問題対応委員会」が、女子生徒に対する複数回のいじめの存在を認め、自殺との間に「一定程度の因果関係は認められる」との判断を示していたことが、15日にわかった。
市が同日、朝日新聞の情報公開請求に対し、同委員会の調査報告書(表紙を含め38ページ)を開示。個人情報など一部は黒塗りだった。
同委員会は21年9月に発足し、生徒や保護者へのアンケートの実施・分析、生徒や教職員、遺族への聞き取りなどを行った。調査報告書は22年3月末にまとまり、同年6月、遺族の意見書を添えて当時の丸山至市長に渡されたが、いずれも公開されていなかった。
同委員会は報告書で、同級生がLINEで女子生徒の髪形を揶揄(やゆ)する書き込みをした▽女子生徒のげた箱に「死ね」「きもい」と書かれた紙が3、4回入れられた▽同級生による悪口や陰口、などがいじめに該当すると認定した。
さらに、いじめが女子生徒の孤独感などを強め、自死につながった要因の一つになったと推察。「いじめが自死の主要な原因であるとまでは考えないが、一定程度の因果関係は認められる」とした。
報告書には、再発防止に向けた提言もあった。市教委によると、子どもがタブレット端末から市教育相談室に相談できる「なやみ相談SOS」を7月に始めるなど、提言に沿った対策を進めているという。
調査をめぐっては22年10月、「遺族の思いを受け止め、調査結果の中で判然としない部分を明らかにするため」などとして、当時の丸山市長が「市いじめ重大事態再調査委員会」を設置。再調査が進むが、いつ終わるかの見通しは立っていない。(清水康志)