英は「ストップ・ザ・ボート」、日本は「難民かわいそう」 岐路に立つ2つの島国
2023/9/16 16:00

https://www.sankei.com/article/20230916-QSAAOMV6ZRIR7H7WB7KUMBEEXE/

日本国内で不法滞在の外国人が増える中、不法移民の流入が続く欧米では、どのような手段で彼らを祖国へ送還しているのか。

とりわけ同じ島国である英国では近年、英仏海峡をボートで渡ってくる難民が激増。

「ストップ・ザ・ボート」をスローガンに7月には彼らの難民申請を認めないとする法律が成立した。

一方の日本では「労働開国」が急速に進みつつあり、不法滞在者をめぐっても一部マスコミなどから「日本は難民に冷たい」などの批判が上がる。2つの島国は今、大きな岐路にある。



2年で500%増「英国の現実知るべき」

英仏海峡の玄関口ドーバーの北約30キロにあるマンストン村。

トウモロコシ畑が広がる田園地帯に鉄条網と監視カメラに囲まれた施設がある。

水際で阻止された不法入国者が一時的に移送され、身元調査などを受ける。

入り口に施設の名称などはなく、周囲もカバーに覆われて中の様子はうかがえない。警備犬のほえる声だけが頻繁に聞こえる。

近くに住む白人男性によると、一部住民が施設に反対しており、施設の目的はあまり公にされていないのだという。

英内務省の統計によると、英仏海峡をボートで渡る不法移民は2022年、4万5千人以上と過去2年間で500%増加。

沈没事故もしばしば発生し、8月にはアフガニスタン人約60人を乗せた船が転覆して6人が死亡した。数十隻の移民船が一度に集中したための事故だという。

施設は昨年2月にできたが、ベッドが不足しジフテリアの感染症が蔓延した。

不法入国者はこの施設を経て、処分が決まるまで民間ホテルなどに滞在させるが、その費用は年間約30億ポンド(約5500億円)という。

近くに住む30代の白人女性は赤ん坊をあやしながら「よりよい生活を求めてこの国へ来る人は、不法入国でも助けるのが当然と思う」。

一方で、ロンドンから移住した60代の白人男性は「移民は決して同化しようとしない。

イスラム教徒とヒンズー教徒が乱闘を起こすなど好き放題だ。

日本も移民を積極的に受け入れようとしているというが、英国の現実を知るべきだ」と話す。