北海道大学の研究グループが世界的な科学雑誌「サイエンス」に発表した研究成果などの5つの論文について、大学は、実験データに800か所以上のねつ造や改ざんがあったとする調査結果を公表しました。

これは、北海道大学が20日に記者会見を開いて明らかにしました。

ねつ造などがあったと認定されたのは、北海道大学の澤村正也教授の研究グループが、おととしまでの4年間に発表した5つの論文で、このうち2020年に発表した論文は大豆などの植物油から、環境にやさしいプラスチックの生成につながる新たな技術として科学雑誌「サイエンス」にも掲載されました。

いずれの論文も現在は退職しているフィリピン国籍の研究者が書いたもので、去年4月、不正を指摘する匿名の告発を受けてすでに取り下げられていますが、その後の大学の調査で、実験データなど合わせて836か所に、ねつ造や改ざんを認定したということです。

大学は論文を書いた研究者は退職しているため処分できないとした一方、責任者の澤村教授については今後、適切に対処するとしています。

増田隆夫副学長は「信頼を失う結果となり、深くおわび申し上げます。このような事態が再び起こることがないよう対策を講じるとともに、研究倫理の教育を徹底してまいります」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230920/k10014201761000.html