米下院で多数派を握る共和党の内紛により、来年度予算案を巡る混迷が深まっている。2023会計年度末が30日に迫る中、大幅な歳出削減を求める強硬派が執行部と対立し、本予算はおろか政府機関の一部閉鎖を避けるためのつなぎ予算さえ成立の見通しが立たない。強硬派の背後では、来年の大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領が隠然と力を振るう。

 「共和党議員は、悪徳バイデン(大統領)率いる政府の予算を否定しなければならない」。トランプ氏は20日、SNSへの投稿で共和党議員に圧力をかけた。同氏は20年大統領選の結果を覆そうとした事件など4件で刑事訴追されており、予算成立阻止が「私に対する政治的訴追の資金を止める最後のチャンスだ」とたたみかけた。

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