あなたはあなたが使っている言葉でできている ゲイリー・ジョン・ビショップ著

あなたは、自分が回し車の上のハムスターのようだと感じたことはないだろうか? 猛烈に足を動かしているのに、ちっとも前に進んでいない気がしたことは?
 思考がぐるぐるとループし、小さな声が「お前はなまけてばかりいる」「バカだ」「どうしようもないやつだ」とささやきかけてくる。
 その声に飲み込まれそうになっているのにも気づかず、毎日をストレスや緊張と戦うことに費やしている。
 自分の人生を生きようとがんばりつつも、「このまま無限ループから抜け出せず、人生の目標へたどり着けないんじゃないか」というあきらめに押しつぶされそうになっている。 

 そんなふうに、心の中の自滅的な声が止まらない人のためにこの本はある。
寄せては返す不安の波は、日々の生活をむしばんでいく。この本はあなたを励ますために書いたものだ。
あなたが内に秘めた本当の能力に目覚め、自分を責めるのをやめて、輝かしい人生に歩み出すのを手伝うために私はこの本を書いた。

 一つはっきりさせておこう。この本は正しい言葉を使って人生を上向かせる方法を解説したものだが、私は今すぐポジティブな思考を持てとか、自分を愛そうとか言うつもりはない。

 そうした方法は(成否はともかく)出尽くした感があるし、この本で紹介するのはまったく別のアプローチだ。
 私はあなたに「自分は虎だと言い聞かせなさい。自分の中の獣を解き放ちなさい」とは言わない。
なぜって、人は虎じゃないから。そうしたやり方が向いている人もいるかもしれないが、私にとってそうしたことを自分に言い聞かせるのは、
メイプルシロップをドバっとかけた古いキャンディを無理やり口に突っ込まれるようなものだ。気持ちはありがたいが、遠慮させていただきたい。

 ポジティブ・シンキング好きの人にとっては残念な話かもしれないが、この本では別の道を行く。
この本の目的は、本当の意味であなたの手助けをすること。あなたに本当に合ったヒントを示し、本当の能力を引き出せるようになることだ。

 この本はあなたが答えを手に入れることを願うが、答えは外側ではなく、あなたの中にある。答えを見つける必要なんてない。あなたが答えなのだから。
 私のクライアントには、白馬の騎士の訪れをずっと待っている人がいるが、私はよくこう伝える。あなたが騎士なのだと。あなたの人生は、あなたの訪れを待っている。

【著者紹介】
ゲイリー・ジョン・ビショップ : スコットランドのグラスゴー生まれ。
1997年にアメリカへ移住し、特に存在論と現象学について数年間学んだ後、世界有数の人材開発企業でシニアプログラムディレクターを務め、世界中の何千人もの人にコーチを行う。
マルティン・ハイデガー、ハンス・ゲオルク・ガダマー、エトムント・フッサールの哲学から影響を受け、「都市哲学」という自身のブランドを創り出した。
現在は、人間の能力をシフトさせて人生に大きな変化を起こすという生涯の仕事に日々を送る。フロリダ在住。妻と3人の子どもとの5人暮らし
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