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「中華オナホ」が世界を席巻中!?中国アダルト業界の最新事情を紹介!
YouTubeに突如オナホの広告が出現して、X(旧Twitter)界隈をザワつかせる事態が発生。その広告リンクをたどると......、正体は中国の越境EC!実はとんでもないビジネスに成長していたという中国アダルト産業の最新事情を紹介ですっ!
※紹介した商品の価格、名称は2023年8月21日現在のアリエクスプレスでのものです。
■AVは違法!でもオナホは合法です!!
8月15日前後からYouTubeに出現したオナホの広告。動画広告のリンクをたどると......中国発の越境ECが出現!実は、オナホをはじめとする各種中華アダルトグッズが各国を席巻中だという。その実態を、中国経済に精通するジャーナリストの高口康太さんに解説してもらいますっ!
YouTubeに出稿する勢いを見ると、この分野でも中国企業の勢いが増しているのでしょうか?
高口中国の経済調査会社の発表によりますと、世界に流通するオナホをはじめとするアダルトグッズの約7割は中国メーカー製品。そして2021年の市場規模は1600億元(3兆2000億円)だったと発表されています。
もはや国家予算レベルじゃん!これは近年、急激に成長したのですか?
高口いえ。中国は1980年代からアダルトグッズの製造を行なっています。この時代から日本や欧米メーカーに委託されたアダルトグッズのOEM工場が多くあり、広東省では地場産業として定着しています。
ある意味、スマホや各種家電など、中国の海外輸出向け製造業の原点≠ェ、オナホをはじめとするアダルトグッズともいえるのです。
それがYouTubeに広告を出す理由とは?
高口越境ECの普及です。近年、SHEIN、Temu、アリエクスプレスなど、中国から欧米諸国へ直接商品を販売できる越境ECが急速に普及。中国メーカーとしては中間マージンの発生するこれまでのOEM生産よりも越境ECのほうが儲けが大きく、そこへの誘導としてYouTubeや各種SNSが活用されているのです。
中華オナホの広告のリンクをたどると、電動はもちろん、スマホやパソコンと連動するスマート化、さらにはAI搭載など、各種家電で培った技術が全部入り。しかも格安!これは、海外メーカーは価格・性能面で太刀打ちできなそうですけど、そもそも中国ってAVや風俗が禁止ですよね。各種アダルトグッズはOKなんですか?
高口中国でアダルトグッズは「成人用品」と呼ばれ、販売する実店舗もあり、さらには広告も80年代から普通に打たれています。アダルトグッズは20世紀の中国を代表する輸出産業で、かつ従事する人間も多い。なので、これまで政府からのおとがめはありません。
それどころか、今年もアダルトグッズエキスポが開催され150社が参加。2010年の上海万博と同じ会場を使用した世界最大級の規模です。
これは、私も過去に取材したことがありますが、オナホやバイブが展示されるスペースに、子供も見に来ている異様なエキスポでしたね(笑)。
悪い意味で寛容かと!それ日本だったら確実に大炎上だし、そもそも万博や五輪に使われた会場は絶対に開催許可しないでしょうね。
高口アダルトグッズに寛容なのは中国国内だけでなく、海外でも同様です。ここ数年は中国製スマホや5Gインフラなど欧米では規制ラッシュですが、アダルトグッズに関しては海外からも一切規制されていません。それもあって自由に商売ができ、大儲けが続けられる状況です。
それこそ広東省には「弊社はオナホ界のフォックスコンを目指しています!」なんて会社も現れるほどです。
中国製のオナホは日本からでも越境ECのアリエクスプレスなどで買えますが、中国ではどんな販売方法を?
高口さすがに実店舗の数は減りましたが、相変わらず中国のECには多種多様な商品がラインナップされています。よりオナホなどを買いやすくするため出前サービスと提携し、「食事とオナホを同時に届けます!」といったサービスも人気です。
それこそ日本では大炎上しそうな商品もあります。それが、「複製之穴」というサービスです。
もう、ネーミングからしてアウトな感じが!
高口こちらでは実在する女性の性器をオナホ化して販売しています。業者にチャットで連絡すると、ちゃんとモデル女性の画像も見せてくれるそうです。
あと、中国では風俗は禁止されていますが、実はラブドール風俗はOKなんです。これらは家族と離れて暮らす出稼ぎ労働者の多い地域に出店されて人気になっています。
寛容すぎ!
高口このように、中国国内外から規制されないアダルトグッズは今後も市場拡大が期待され、中国の経済調査会社の発表だと25年には2000億元(約4兆円)の市場規模まで成長すると試算されています。なので、これからもトンデモ製品やサービスが登場するでしょうね