毎月5万を貯蓄し、35年間で2100万を貯めるつもりだったが……

ひきこもりの長女は20代の頃からうつ病で障害基礎年金2級を受けていました。しかし、3度目の更新で不支給決定になってしまったそうです。精神疾患の方の場合、1~3年ごとに更新のために担当医に書いてもらった診断書を自治体の年金窓口などに提出します。診断書の内容によっては不支給決定になってしまう、つまり障害年金が一時停止されてしまうということがしばしばあります。

長女は障害年金で将来のための貯蓄をしたり、通院代や薬代、嗜好品の購入に充てたりしていました。障害基礎年金2級は年額で約78万円、月額にすると約6万5000円になります

長女は5万円を毎月貯蓄し、35年間で2100万円を貯めるつもりでいました。親の援助がなくても2000万円以上の貯蓄ができる。それだけが長女の唯一の心の支えであり、希望でもありました。しかし、障害年金が支給停止されたため、長女の貯蓄計画は頓挫し、心の支えを失ってしまいました。

「長女は障害年金のほとんどを銀行の自動積立で毎月貯蓄をしてきましたが、それができなくなってしまいました。将来のお金の不安と障害年金が止まったショックで通院もやめてしまいました」

母親は続けました。

「長女はこのままずっと障害年金がもらえないのでしょうか? もう駄目なんでしょうか? 夫(62・会社員)は『仕方がない。もうあきらめろ』といって話も聞いてくれません……」

母親はうつむき涙を流しました。

https://president.jp/articles/-/31629?page=2