「トルティーヤの可能性は丼と同じくらい無限」人口約400人の集落に移住した“都会育ち”のメキシコ人 トルティーヤをここから広めたい!地元の食材も使った料理を祭りでお披露目(MBSニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe7db477e1c50530b737ab2e058d6e48ae932cdf

トルティーヤで町おこしをするメキシコ人。兵庫県丹波篠山市で今年初めて採用された「地域おこし協力隊」の外国人隊員です。移住して半年、自身の夢と地域の活性化のために奮闘しています。

今年8月、兵庫県丹波篠山市後川地区でお祭りが開かれました。演歌が定番のカラオケ大会に今年初めて登場したのが、メキシコの民謡「ラバンバ」。スペイン語で歌いあげるのはウルタード・アルベルトさん(41)、通称ベトさん。丹波篠山市初の外国人「地域おこし協力隊」です。

トルティーヤを丹波篠山の名産品に!41年間の都会暮らしに終止符

今年3月。ベトさんがいたのは東京都です。

(ウルタード・アルベルトさん)「ここを走ったりします。ここの反対側はお台場だからめっちゃでかい建物があります」

ベトさんは東京都心のマンションから丹波篠山へと移る準備をしていました。メキシコシティ出身で、7年前に東京に。メキシコのときから41年間ずーっと都会暮らし。東京でパン作りを学び、メキシコで店を開く予定でしたが、ある思いから“田舎”で暮らすことを決めました。

(ウルタード・アルベルトさん)「メキシコのパンを日本に持って来たいと思っているんです。そのおいしいパンはトルティーヤといいます」

メキシコの主食、トルティーヤ。トウモロコシを砕いた粉から作られる薄いパンのようなもので、これに具材を挟んだものをタコスといいます。日本ではまだ一部でしか知られていない食材。ベトさん、これを丹波篠山の新たな名産品にしたいと「地域おこし協力隊」として移住することを決めたのです。

地元住民も期待「うれしい」「新しい知識を身につけさせてほしい」

3月30日。ベトさんが丹波篠山に移住してきました。地域の人が用意してくれた空き家がベトさんの新たな住まいです。

(ウルタード・アルベルトさん)「広いですね、東京と全然違う」

これまでに住んだことのない昔ながらの日本の家。丹波篠山キャピタル(地域との調整役)の河口秀樹さんに案内してもらいます。

(ベトさん)「これ(障子)はどうやって直せますか?」
(河口さん)「それは張り替えたら」
(ベトさん)「?」
(河口さん)「糊をつけて張り替えないといけない」

すべてが新鮮な田舎暮らし。ベトさん、少し気がかりなことがあるようです。

(ベトさん)「あいさつは初めてですけど、どうすればいいですか?」
(河口さん)「初めて?」
(ベトさん)「はい。東京では絶対やらないから」
(河口さん)「4月から地域おこし協力隊でここに住みます、お世話になります、と言ってあいさつする」
(ベトさん)「それだけ?」
(河口さん)「それだけそれだけ」

後川地区で暮らす人はたったの363人、165世帯。ほとんどが顔見知りなので「引越しのあいさつ」は重要です。ベトさんのパートナーのウルタード・りかこさん(36)とともにあいさつまわりをしていきます。

この地区では初めての外国人移住者。住民たちからはこんな声が聞かれました。

「風習とかも違うし、変わった新しい知識を身につけさせてほしいです」
「日本語がしゃべれるっていうのは安心しましたね。言葉が通じなかったらどうしようもないし」
「うれしいばかりです。年ばかりいってみんな。集落は若い者がいないでしょ、心細くなってね」