事件のあった年に入社した女性社員=当時(22)=は、被告がガソリンをまき火をつけた1階のらせん階段付近で遺体が見つかった。母親は毅然(きぜん)とした態度で被告に問いかけた。


--ガソリンをまいたとき「死ね」と。ガソリンに火をつけたのは娘を含めた全員に向けてですか。「死ね」というのは本心ですか

被告「その通りです」「その時の本心で間違いございません」

--娘は事件があった年に入社したばかりでした。あなたが盗作されたと主張する作品が制作されたあと、入社した社員がいたことは考えなかったのか。焼け死んでいいと思ったのですか

被告「すみません。そこまで考えていませんでした」

これまでの公判で自身の小説の内容や、「闇の人物のナンバー2」について饒舌(じょうぜつ)に語ったときとは打って変わり、しおらしく答えた被告。しかし、質問者が遺族本人ではなく代理人弁護士に代わると、?逆ギレ?や反論めいた言葉をまくしたてる場面もあった。

--人が死ぬと分かっている中で被害者のことは考えなかったのか

被告「逆に聞くが、京アニが作品をパクったときには何か考えたのか」

裁判長「あなたが質問する場ではありません」

被告「パクりや『レイプ魔』と言われたことに京アニは良心の呵責(かしゃく)はなく何も感じず、被害者としての立場だけ述べてどう思うのか」

「追及厳しくなって…」

京アニが「自分の小説をパクった」と強く主張した被告。ただ、匿名掲示板「2ちゃんねる」では事件前、「ハルヒの文章をぱくっていたころが懐かしい」などと被告が書き込んでいたこともあった。ある遺族は、この部分に疑問を呈した。

--ここ(の書き込み)でいうパクりと京アニの「パクった」は何が違うのか

被告「ハルヒは教科書代わりだった。亜流と言ってはなんだが、学んでいく過程でまねは必要不可欠だと思う」

--パクりという意味では同じでは

被告「京アニの場合、(自分の作品を小説コンクールで)落としたにもかかわらず流用して放映したり、監督がブログで発信したりしていた」

最後に被告に向き合った代理人弁護士は、この日の公判で被害者に対する思いを問われ、被告が逆ギレした点について厳しく追及した。

--(良心の呵責についての)質問になぜ答えなかったのか

被告「自分はこういう立場でどんな刑だろうと罰は受けなければならないが、京アニがしてきたことは全部不問になるのか」
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