ステロイド11倍、モルヒネ2倍を誤投与 患者死亡、因果関係は否定(朝日新聞デジタル)
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山口県立総合医療センター(同県防府市大崎)で1月、肺がんの治療を受けていた男性(当時61)に予定の11倍の量のステロイド薬を投与する医療ミスがあったことが分かった。その後、モルヒネの誤投与もあった。男性は2月に死亡したが、同センターは誤投与との因果関係を否定している。

同センターによると、入院していた男性は自宅療養を希望して1月4日に退院した。10日に外来で受診した際、倦怠(けんたい)感や食欲低下の症状を緩和させるステロイド薬を1日あたり4ミリグラム(1錠)処方するべきところ、同44ミリグラム(11錠)と処方箋に医師が誤記し、12日分を出した。薬剤師も誤りに気付かず、男性は10日間服用した。男性が再入院した23日の翌日に誤投与が判明し、同センターは男性と家族に謝罪した。

また、入院中の2月1日朝、1回1錠の予定だった痛み止めのモルヒネを看護師が2錠投与するミスも起きた。同センターは再び、男性側に謝罪した。男性は3日に死亡した。

同センターは肺がんが死因と診断した一方、2度にわたるミスについて院内に医療過誤・事故対策本部を立ち上げた。調査の結果、2月13日付の報告書で「重篤な副作用は生じておらず、死亡には起因しない」と結論付けた。

同センターは「患者様とご家族に大変ご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げます。今後、職員一丸となって再発の防止と安心で満足度の高い医療の提供に取り組んでいきたい」とコメントしている。

同センターは県内で唯一、エボラ出血熱などの治療ができる第一種感染症指定医療機関。診療科は33科、病床総数は504床で、職員総数は約1100人。(大室一也)