「たかが3兆円と言ったら怒られるかも」
2016年7月18日、ソフトバンクグループ(SBG)は、英国の半導体設計会社のARM(アーム)の買収を発表した。買収総額は約240億ポンド、当時の為替レートで約3兆3000億円だった。当時、孫正義会長は、「たかが3兆円だと言ったら怒られるかもしれません」と発言した。いい買い物ができたという趣旨だったろう。
それから約7年、紆余曲折あったが9月14日にアームは米ナスダック市場に上場した。14日終値ベースの時価総額は652億ドル(1ドル=147円で約9兆6000億円)だった。14日の終値基準ではあるが、アーム株の価値は買収時の約3倍に増えたことになる。
“チャットGPT”など人工知能(AI)が世界を牽引するという社会の変化を、孫会長はかなり早い段階から見抜きアームの買収に踏み切った。今後、AIの利用に伴う利得を増やすため、SBGはアーム上場によりビジョンファンドなどの運営体制を強化する。
今回のアーム上場は、孫会長の投資家としての目の確かさを改めて確認する機会になった。その能力がしっかりしている間、SBGの“ビジョンファンド”が相応の成果を実現することが期待できそうだ。
「大きく出た」と減損リスクが懸念されていたが…
7年前に「たかが3兆円」と自信満々だった…英アームの「9兆円上場」を見抜いたソフトバンク孫正義の神通力
「AIの爆発的な普及」をChatGPT以前から予想していた
PRESIDENT Online
2023/09/25
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