1.春の主食はタケノコ
イノシシがタケノコを好むことは経験的に知られていたが、胃内容に占める根・塊茎の割合を調べたところ、3月から6月にかけて全食物の50%以上、多い月では80%に達した。
とくにこの時期は根・塊茎のほとんどがタケノコであり、イノシシにとって非常に重要な食物
であることが明らかとなった。

2.イネは8月に採食
右の図はドングリが不作であった年のものだが、それでもドングリが利用できる9月にはイネの食害が抑えられることが分かる。イネの食害に注意すべきは8月である。また台風被害によりイネの収穫を断念したり、ヒコ生えを放
置した田では10月以降にイノシシの利用がある。イノシシを田畑から遠ざけるために収穫後の管理が重要である。

3.水場は餌場
イノシシの主食は植物だが、約6割の胃の中に動物質の食物が検出された。 イモリ、カエル、水生昆虫、巻き貝などを採食しており、水飲み場やぬた場として利用される場所が餌場としても重要であることが示唆された。

https://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/chougai/ino-HP/materials/1-6.pdf