追い風が吹くクレーンゲーム市場 市場規模は10年で1.5倍に拡大【WBS】(テレ東BIZ) - Yahoo!ニュース
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コロナ禍で大きな打撃を受けたゲームセンターですが、いま客足が急速に戻りつつあるようです。そのけん引役となっているのがクレーンゲームです。クレーンゲーム活況の背景を取材しました。
東京・府中駅に直結する大型商業施設。地下のフロアに降りてみると、そこにあったのはタイトーが運営するクレーンゲームの専門店です。その数は450台以上。2020年にはギネスの世界記録にも認定されました(※現在は他店が更新)。
お菓子の景品を獲得した親子。2000円近く使ったといいます。「やったーという喜び。アトラクション感覚というか、楽しむみたいな」と魅力を語ります。1人でチャレンジする男性客は「1週間か2週間に1回くらいは来て、ストレス発散みたいな感じです」と話します。
しかし、ゲームセンターは閉店が相次いでいます。この10年間で店舗の数は、ほぼ半数に減りました。そうした中でも、クレーンゲームの市場規模は約2200億円(2020年度)と、この10年で1.5倍近くまで拡大しています。タイトーもクレーンゲームに特化した店を拡大中。いったいなぜなのでしょうか?
「コロナ禍で大きなゲームがヒットするか分からないという環境の中、非常に投資リスクが大きかった。その中において、クレーンゲームは非常に人気で、魅力的な景品を入れれば、その分売り上げにつながっていく、いい循環ができている」(タイトー店舗戦略本部長の宮西隆昌さん)
1台当たりの売り上げを比較してみると、今のクレーンゲームの人気がわかります。高い収益性が企業には魅力なのです。
さらにもう一つのナゼを探しにやってきたのは川崎市にあるセガの倉庫です。セガグループは去年1月ゲームセンターの事業から撤退しましたが、クレーンゲーム向け景品の開発や販売は継続しています。
新商品の開発に向けたセガの社内会議。今、景品の大型化が進んでいるといいます。セガの森汐帆さんによれば「同じキャラクターで今までの最大サイズで出していた商品より、大きくなった商品の方が倍以上売れ行きが上がった」と話します。
背景にあるのは去年3月の規制緩和です。クレーンゲームの景品の上限価格が800円から1000円に引き上げられ、大型の景品が作りやすくなったのです。さらに、かけられる予算が増えたことで、素材にこだわることも可能に。例えば初音ミクのフィギュアの場合、毛先に透明なプラスチックを使用できるようになったといいます。景品のクオリティの向上がクレーンゲームの人気を押し上げています。