同じように、「ジューシー」のフレーズを多用していたのは、安倍晋三元首相だ。

 2018年6月、茨城県鉾田市からメロンを贈呈されて安倍元首相は「非常にジューシーですね。たいへん癒やされた」とコメント。

 また同年8月、宮崎県西都市の農家でキュウリを試食した際には、首相官邸のInstagramで「朝獲(ど)れキュウリをいただきました。ほんとに、うまい! みずみずしくて、ジューシー、最高の味でした」と語り、「#ジューシー」のハッシュタグまであった。

 さらには、ビーフジャーキーまで「ジューシー」と表現したことも。

 2018年12月21日の朝日新聞では、グルメリポーターとして知られる彦摩呂が「食感や見た目の感想をうまく取り込んでみて」と、首相にアドバイス。「うわー、赤いー!」など、あえて見た目の感想を伝えるのも効果的、との助言を、記事を通じて送っていた。

 それでも、首相辞任後の2021年5月18日のX(旧Twitter)で、安倍元首相は宮崎の完熟マンゴーに「もちろんジューシー。さすが日本が誇る最高級品です」と、またも「ジューシー」を投稿。

 ひとつの言い方にこだわったのは、一度は体調不良で辞任した首相の座に返り咲いた「あきらめない」気持ちを、食リポでも発揮したともいえるだろう。

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