在日中国系不動産会社によると、今日からスタートしている国慶節の大型連休中も、観光を兼ねて、数億円のタワーマンションを物色しに来る富裕層が引きも切らないという。

 しかし、筆者は最近、在日中国人で、マッサージ師の仕事をしている友人から、これらの動きとはまったく異なる方向の話を聞いた。富裕層が大挙して日本に移住している反面、日本在住歴20~30年のブルーカラーの人々は、逆に、低迷する日本での生活に見切りをつけ、日本よりは発展性のある中国に本格的に帰国しようとしている、という話だ。

 友人によると、その人は30代の頃に一度結婚したが、のちに離婚。以来、ずっと1人暮らしだ。東京の郊外で小さなマッサージ店を経営していたが、まもなく、その店を畳み、家財道具などもすべて処分して、中国東北部・黒竜江省にある故郷に帰る決断をしたというのだ。

 「思い切って、全財産をつぎ込んで、中国でマッサージ店を開店することにしたそうです。SNSで写真を見せてもらったんですが、2階建てのきれいなビルで、もうすぐ看板が完成するんだと喜んでいました。

 友人によると、中国はいま、ものすごい健康ブーム。マッサージや整体など、リラクゼーションにお金を使う人が増えており、東北部の町でさえ、マッサージは1時間300元(約6000円)くらいの施術料を取れるとか。東京の私の店よりも高いです。

 日本と違って、中国では食事会のあと、4~5人で連れ立ってマッサージに行くことが多いので、1~2人でやるような店は流行らない。少なくとも、5人以上のマッサージ師を雇う必要があるそうですが、景気が悪く、失業率が高いからか、返って若くていい人材が集まったそうです。

 マッサージ師の給料もどんどん上がっていて、その町でもがんばれば、月給は9000元~1万元(約18万~20万円)くらいになるとか。彼が日本で覚えたマッサージ技術を教えるといったら、いずれ独立できると喜ばれたそうです」(筆者の友人)

 筆者が驚きながら相槌を打っていると、友人はこう続けた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0b1ad706909625e25aad84e6170e3dbbe92b5ea7