遺族「懲役１０年は短すぎる」居酒屋などを“ハシゴ”し運転…４人死傷させた男に判決（MBSニュース） - Yahoo!ニュース
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去年、酩酊状態で車を運転し、夜間パトロール中の男性４人をはねて２人を死亡させた罪に問われた男に、９月２９日、大阪地裁堺支部は懲役１０年の判決を言い渡しました。
事件が起きたのは去年の年末でした。去年１２月２７日、堺市中区で夜間パトロールの隊列に普通乗用車が突っ込み、男性４人をはね、村上伸治さん（当時４７）と山中正規さん（当時４６）の２人が死亡しました。
車を運転していた猪木康之被告（４９）は現場から逃走。その後、過失運転致死傷とひき逃げの疑いで警察に逮捕されましたが、取り調べで「電柱か何かにぶつかったと思った」と供述。猪木被告は事件直前、居酒屋とスナックを“ハシゴ”し、ハイボール６杯や生ビール、焼酎など大量に飲酒。ぶつかった相手が人とわからないほどの酩酊状態でした。検察は、罪がより重い危険運転致死傷罪で起訴しましたが、ひき逃げについては「事件当時、人をはねた認識がなかった」として不起訴としました。
亡くなった村上さんと山中さん。町内会の活動に熱心に参加し、地元からも愛された存在でした。
（町内会長 谷野一彦さん）「土曜日、日曜日、毎週のように自分の時間をさいて、子どもたちのために尽くしてくれました。どうか安らかに。ほんまにありがとう」
今年３月に始まった裁判で、猪木被告は「お酒を飲んで帰ったのは間違いない。お酒の影響だけだったのかは自分ではわからない」と述べ、起訴内容を否認。被告人質問でも飲酒の影響を重ねて否定し、弁護側も過失運転致死傷にとどまると主張しました。
一方、検察側は「交通法規に対する規範意識が欠如し、再犯のおそれも極めて高い」として、懲役１２年を求刑しました。公判で被害者の死因をたずねられた際にも、正確に答えられなかった被告。今年８月の裁判では、遺族が意見陳述で悲痛な胸の内を明かしました。
（山中正規さんの妻）「裁判で主人の死因を答えられなかった被告人に教えてあげます。死因は、頭蓋骨を折り、自らの血を大量に吸引したことによる窒息死です。主人は一家の大黒柱として、仕事が忙しい中でも時間を作ってくれました。娘と一緒にバージンロードを歩きたかったでしょう」
（村上伸治さんの妻）「彼がいない家は今ではシーンとしています。子どもたちは食事の際に『父さん、一緒にご飯食べよう』と、食卓の真ん中に写真を持ってきます。『父さんがおったらな…』と突然泣き出すこともあります」
そして迎えた９月２９日の判決。大阪地裁堺支部は、被告が事件当時、酒気帯び運転の基準を大きく上回るアルコールを体内に保有しており、危険運転致死傷罪が成立すると認定。懲役１０年を言い渡しました。
判決を受け、山中さんの妻は、次のように話しました。
「２人も亡くなって２人もけがをしたのに１０年というのは短すぎる。（被告は）本当に謝罪をしたいという気持ちがまったく感じられなかったので、きょうもいままで通りの何も感じていない被告人が最後まであそこの場にはいたような気がします。（Ｑ正規さんにはどんな報告をしますか？）一番無念なのはもちろん主人だと思いますが、『家族としてこの半年間、できることはやってきたよ』と、『危険運転の部分認められたよ』と、報告したいです」
